レイザーラモンRGがアイドルにひたすらネタを見せるライブ(秋葉原HDXシアター)

最近RGの動向に目を光らせていなかったが、久しぶりにイベント名を聞いた瞬間、アイドル、アイドルファン、MC、観客の四面楚歌を食らい、「HGと新喜劇からやり直せ!」と飲みさしのビール瓶、陶器の灰皿、鶏の屍骸などなどが舞台に投げ込まれる地下格闘場の風景が浮かんできて、躊躇せずに劇場に向かう。
招かれたアイドルはAKB48の外郭団体・SDN48の4名。誰か一人でも笑ったらSDNが負けというルールで、RGが10連勝すればSDNが水着になる、感涙のおっぱいバレーなオマケまでついてきた。
するとRGは「北斗の拳」にのせたサブウェイあるある、「GET THE GLORY」の替え歌「サトエリ」、吉田戦車が描くカワウソに扮して『君は1000%』にのせた「ビッグカメラあるある」(もちろんカルロストシキのモノマネ)など、20代女性の心をそよとも震わせないネタを砲撃。はたしてファンの「どうか私に水着を・・・」という呪詛にアイドルの心が侵されたのか、気がつけばRGは9連勝を収めていた。
競馬場最終レースの「勝て! 勝たんと薬殺じゃ!」と大穴の馬に全てを託す殺伐とした空気の中、RGはRG教科書の扉ページに記されているであろう入門編ネタ・女子十二楽房のモノマネで挑む。当然SDN全員が顔を引き締めていると、それまでRGにほとんどはまっていなかったSDN・近藤が爆笑したのだ。
しかし全ての事情を飲み込んであまりあるMC・ニブンノゴは「今、笑っていませんでした」と、スリーカウントに歴然と目をつぶる大人のジャッジを展開。「ふざけんなテメー! 笑っていただろうがよー! この怠慢ジャッジ、少年野球教室で地方にいるため、別撮りで輪郭がぎこちない『サンデーモーニング』の張本に喝入れてもらうぞコス!(殺すの意) コス!(殺すの意) スーパーコス!(ぶっ殺すの意)」と食い下がるのが礼儀かと思いきや、常識人揃いのSDNファンからは失望の吐息も非難の罵声も全くあがらなかったのだ。私は肩を落として帰路についた。
あれから半年が経った。このレポを放置している間にSDNはみのもんたとデュエット曲を発表し、全員卒業する運びになった。あの時、SDNが水着になっていたらもしかして・・・・・・。これを題材に『世にも奇妙な物語』のシナリオが一本書ける気がしてきた。もちろん水着になっていてもSDNは同じタイミングでみのもんたとデュエットし、同じタイミングで解散していたという物語だ。秋元康先生コス!