カリカやしろ会話ライブ「2人の愛コンタクト」(神保町花月)

私はこのブログで「カリカ・家城とゆらゆら帝国・坂本は顔と声と世界観が酷似」説を星の数だけ唱えてきたが(実質20回ぐらい)、ゆらゆら帝国は昨年解散。さらにカリカも存在しなくなるのだから、この説も封印である。

カリカが好きだった。
2000年。白菜ばかり食べていた無職時代、『新しい波8』でカリカの2人6役コントに衝撃を受けた。
2002年。カリカが見たくてルミネtheよしもとの「5じ6じ」に通った。今は「賞レースなんて興味ないぜ」とうそぶいてるわりに、当時の若手トーナメント「5じ6じカップ」でカリカを本気で応援していた。
2005年。単独で見た「帰ってこい!」という漫才がすごすぎて、少し漏らした、
2006年。M-1の敗者復活で見た越冬つばめの漫才がバカバカしすぎて、漏らしたものが一気に乾いた。
2009年。単独「しゃべるコント」で、乾いたものが今度は噴いた。あれが海産のカリカで濡れた最後の日だった。
そうやって体を濡らし、身を焦がしたカリカが解散すると聞いた時は、当然のことながら愕然としたのである。
もちろんファンだから、解散の理由「実は林は女性で、妊娠したから引退せざるを得ない」も薄々感づいてはいた。パンツスーツの尻と腿をつなぐ惚れ惚れするラインを、私は一生忘れないだろう。

さて迎えたカリカ滅亡の日、混乱が極まって「もうこの際、新宿で行われているシソンヌの単独に行っちゃおうか?」という気分になりつつ、カリカ林が舞台に立つ浅草へ。
「林将軍にお話を献上する」ライブは、タイトル通り若手が林に自信のトークを奉納する内容で、ハマらない話題を持ち込む若手芸人に拳銃をぶっ放す林の姿は、香港系のマフィアにしか見えなくてシビれる。同時に芸人にさらさら未練なさそうな態度と冷ややかな瞳に、「引退」というより「遁世」の火薬臭をヒリヒリ感じた。
しかしそれも私がかすかに目撃できた断片の部分であって、私が座った最前列の端席からは林が死角になっていたのである。なぜかというとこの日の進行役兼、海パン一丁&サスペンダーで林の近衛兵として仕えるガリバートンネル・三須のケツが、私のまなこと林の間に立ちはだかっていたからだ。あの引き締まった三須の尻のラインも私はついでに忘れないだろう。だってそれしか見えなかったんだから。
はたして終盤、サプライズゲストとして北朝鮮風軍服に身を包んだカリカ・家城が登場すると、林将軍に国の特産品であるメロンを献上。舞台にメロンひとつ残して幕は下りた。カリカは消えた。
そして数時間後、神保町で行われた家城のトークライブでは、カリカ解散会談に同席したグランジ・遠山がその様子を報告。家城は終始ふざけていたが、幕が閉まる瞬間、顔を突き出し、「カリカを、カリカをありがとうございました」と言い残した。
その様子はひとつの記憶を架橋する。
そこそこ昔、人生でただ一度だけ、カリカを取材したことがあった。カリカは取材中、延々と面白かった。
そして取材が終わり、笑い転げた女性編集者が「いや〜面白かったです〜」と涙をぬぐっていると、一旦取材用の控え室から去りかけた林が再び顔を突き出してこう言ったのだ。
「面白い? 当たり前じゃないですか!」

私はこのブログで「カリカ家城とゆらゆら帝国坂本は顔と声と世界観が酷似」説を星の数だけ唱えてきたが(実質21回ぐらい)、ゆらゆら帝国は昨年解散。さらにカリカも存在しなくなるのだから、この説も封印である。
想像でしかないけれど、
寂しいことではあるけれど、
最終回の再放送がないように
再結成の最善策は
「無い!!」