無限落語(お江戸日本橋亭)

円丈が主宰する新作落語の会。出演者全員面白くて、前座で登場した「たぶん高座は5回目ぐらい」と語る円丈の弟子・わん丈にギャグ生産力を感じる。
目下、記憶力が絶賛低下中という円丈は、「話が出てこないんだよ。忘れたら見るから」と途中で台本用紙5枚を目の前に並べ、さらにチラ見では済まなくなると、いよいよシナリオを手に取って朗読し始めた。今時、両親への手紙を読み上げる花嫁だってあんなに堂々と字を追うまい。しかしもうジジイなんだから先人が残してくれた古典落語を後生大事に運用していればいいものを、醜態さらしてまで新しい作品を創ろうとする執念、皮肉でもなんでもなくカッコよすぎる! そしてトリで登場した柳家喬太郎は、多忙の中で最近仕上げたらしい「つる」の改作「極道のつる」をかけていて、客席でハッパ回してるのかというぐらいウケていた。正直、円丈師匠の200倍カッコよすぎる。