行列はできるが上訴はできない法律相談所

笑いの金メダル』に尾崎豊ネタの井上マーが登場。そこに「島田紳助推薦」のコピーが。
狼少年を大プッシュした時から高度すぎるトークの才能に反して、紳助の芸人評価能力には大いに疑問を抱いてきたが、これではっきりした。要するに紳助は”不良”が好きなだけなのである。それも長ランや尾崎といった記号としての反骨精神がど真ん中のツボ。その記号を発していれば笑えるかどうかは二の次であって、笑い飯を過剰に評価するのもネタというよりアンチな空気感に魅かれているのではないか。
M1の審査席で笑う時、紳助は常に松本人志に対して微妙な角度で体を向け、笑いの目線が一緒であることを視聴者にしつこくアピールしている。20年前、一早くダウンタウンの才能を見出した紳助にとって、M1は笑いの評価軸がブレていないことを誇示する大規模な延命装置なのかもしれない。そしてそれはいつかコント赤信号クラスのベタな”不良ネタ”が登場した時、綻びを見せることだろう。
「おまえらサラブレッドちゃうねん。地方競馬の馬や。絶対G1取られへんって分かってるけど、つい馬券買ってしまう。それで俺は一人だけ高得点出したんや。笑いちゃう、これはロマンやねん。俺もあったでー。漫才ブームの時、ツービートやB&B抑えてトップでゴールしたんや。やったーって竜助と抱き合って泣いてたらな、周回遅れやってん。その時、のりお・よしおはまだパドックの中をグルグル回ってたけどな……」(想像)
「なんでも鑑定団」に出品されたなら、今でも紳助の話芸は8ケタの金額は下らない高級品だ。しかし芸人鑑定眼は中島誠之助の眼力ではなく、完全に吉田真由子のそれ。