定本 喬太郎伝説(「劇」小劇場)

柳家喬太郎が第一期の集大成として、8日演目を変えた8日連続公演「喬太郎伝説」が開催中であることに突然気づき、慌てて下北沢へ。

やさぐれたライターとそれに尽くす女の悲哀を描いた「仮名手本五段目異聞・猪会談」は人物描写力がすさまじく、まさに“劇団ひとり”の装い。かと思えば「一日署長」では、内輪受けあり、自虐ネタあり、持ち歌の「東京ホテトル音頭」熱唱ありと一人バラエティ番組状態。緊張を誘う展開で身が固くなったり、自虐する気弱さに笑ったりと完全に演者の掌上で踊った気分は「面白いじゃん落語! やるじゃん女の子!(双眼を一方向に寄せた渡辺美里の顔マネ)」だ。

ちなみに「東京ホテトル音頭」の姉妹編には「東京イメクラ音頭」「大江戸ホテトル小唄」があるらしい。いつか西武ドームで聞くことができる日を祈ろう。