大きな空、小さな世界……はい、牛丼は並で

タイライクヤが結成したソラモレンズのファーストアルバム『大きな空 小さな世界』がすこぶるよい。
どれだけ想像の翼を広げても羽の隙間をすり抜けていくような詩をリスナーに突きつけるという部分は、なんとなく初期のスピッツを思わせる。絵画的なイメージ発信で言葉を紡ぐ草野マサムネに対して、タイライクヤの中心にあるのはひたすらレトリックだ。
とはいえ両者の決定的な違いは声の清潔感。草野が進学校で物憂げに洋書を広げている美青年だとするなら、タイラはエロトピアを回し読みしている工業高校生ぐらいの差が。