シベリア少女鉄道「アパートの窓割ります」(TEATER TOPS)

ワンアイディアでトリッキーな芝居をうつシベリア少女鉄道の新作は、あだち充世界観の中で展開される野球をモチーフにしたラブコメ物語。
例によってその内容は明かせないが、今回は発想が小粒。小粒も小粒。キシリトールガムを4等分したくらいに小粒。芝居同様に野球でなぞえるなら、今まではエビ反り大回転魔球、背面投げ、消える魔球(野球盤)、硬球と見せかけてスーパーボールを駆使してきたのに、いきなりカットボールを投じたような配給。かろうじてバットの芯を外した程度で、最後のオチが放り込まれた瞬間に客席を襲った静寂は、甲子園の黙祷以下のホーンとして日本野球史上に残ることだろう。
しかしこの劇団を何度も見ていると、当たるも八卦当たらぬも八卦な心構えが生まれてくるので、不思議と腹は立たないのである。喜びでも怒りでも心が震えた舞台の後は必ず飲みに繰り出す私は、終演30分後、家で冷静に金八を見ていたのだった。
余談。金八でヤヨの台詞が増えたのは、脚本家が変わったからか、それともデビューが迫ったせいか。
http://www.giza.co.jp/index/artist/sayuri/
個人的に私のバットの芯を捕らえるのは、ヤヨよりヤヨの母。