R-1ぐらんぷり 準決勝東京大会(abc会館)

ピン芸人の一番高い山頂を見極めることより、その裾野の広さを測るつもりで向かった準決勝大会。感想をざくざくと。
破綻の様相を呈したカオス芸好きにとっては、増谷キートン大西ライオン猫ひろしが素肌に切手サイズ以上の肌着をまとっている時点で大いに不服。
前回のR-1リターンズで目の当たりにした瞬間、次回は寸分の狂いもなく同じネタを披露すると予想した長州小力&テルのデ・ニーロ漫談は、それぞれ2ミリと0.5ミリの差異が出る残念な結果に。
小さく突出したキャラクター+センテンス勝負のハガキ職人的笑いがピン芸人におけるテレビへの最短距離になった昨今、正統的な一人コントで勝負したやまもとまさみほっしゃん。の姿勢に心を奪われる。それにしてもやまもとまさみは暗転した舞台で撤収するスピードがごゆるりしすぎ。
タップダンス漫談の伊藤麻子、前半をフリに徹したまちゃまちゃは長い芸歴ならではの余裕がひしひしと。清水宏が演じた日本のアニメ・ハリウッドバージョンも同じ呼吸を感じるが、芸歴どころかネタ自体をほぼ10年前からやってるので、そろそろ文化庁伝統芸能として認可するかもしれない。
プラン9が出れば何でも笑うゲラ女が会場の一部に出現。いよいよラーメンズ大人計画とプラン9は、20代サブカル拠り所女の砦になるのか。お〜い!久馬シェイクダウン当時と何ひとつ変わらないネタ作りなのに、灘儀はピンになるとスミス夫人から現在に繋がるコントのキレが何一つ活かせていないというのもある意味すごい。
旧『シブスタ』月曜日の素人オーディションを経た芸人が4人も出場して(MCだったライセンス・藤原を含めれば5人も!)部活も法事も裁判出頭も休んで『シブスタ』に熱中する客で占められた場内のテンションは最高潮に! と思ったら前席の女子中学生がイケメンコントの狩野英孝の出番で、「あの人キモいから」と言いたげに携帯電話のテトリスに熱中してるではないか。気持ちは分からないでもないので、目を逸らして今日に至る。
一体この中から誰が決勝に駒を進めるのだろうか? それを想像しただけで胸が張り裂けそうになるのだった。というのは嘘で、運動会の父母参加リレー決勝ぐらいに興味がありません。