吉本新人計画(新宿シアターモリエール)

MCのバッファロー吾郎見たさに会場へ向かうと、大喜利コーナーにおける木村の手綱さばきが際立つ。火薬庫レベルの爆発力を誇るダイナマイト関西に対して、若手の回答はねずみ花火関東とでも呼ぶべき季節を無視した納涼ぶり。しかし「点火する自信はないけれどとりあえずマッチ擦っちゃえ」の蛮勇だけで前に出る芸人には、自分と同じ硝煙の臭いを嗅ぎつけたのか、「マイナス2億点です」「田舎帰ってください」「あなたの姿が見えません」と傍若無人に突き放しまくり、結果、普段湿りがちなコーナーには爆笑の火柱が。バッファロー吾郎の頭脳は竹若で、その肉体が木村であることを認識する。
また印象に残った芸人は、ミュージカル芸の大西ライオンとルックスもギャグも今時の若手には珍しく引きの芸風なナイーブ・瀬山。劇場の収容規模は200人程度にかかわらず、大西の発声は日生劇場級で、瀬山のそれはイリーガルな商談レベルだ。武器商人なら港の風に声がかき消されるはず。