NEXT PIN GENERATION(プーク人形劇場)

まだルミネの水面に顔を出さない吉本の深海魚ピン芸人22名が勢揃いするライブへ。ネタを期待していると、冒頭にコーナー企画中心と聞いて一抹どころか二百抹ぐらいの不安がよぎる。えてして若手主導のゲームコーナーは空気を読めず、固定客の笑いだけを頼りに狭い生簀の中をかき泳いでおしまいになりがちだからだ。
しかし蓋を開けてみれば吉田サラダのMCも全体の構成もさくさくとしていて見やすく、どの芸人も要所では『スイミー』で魚群を作るかの如くチームプレイに徹して、大変楽しめる舞台に。特にリアクション企画でただひたすらデカい声を発して前に出る大西ライオンと、とにかく奇声を発するだけの芸風なので、現れただけで会場が赤潮に襲われたような不穏に包まれるしんじがグッドジョブだった。
そして気を引いたのは水上拓郎という若手。どのコーナーでも控えめに視線を落として前に出ず、リアクション対戦でぶつかったピクニックとのたるんだ黒Tシャツの2ショットは、どこからどう見てもゲーム仲間の装いだ。しかし一発モノマネ大会では、影武者かと思うほど見事な麻原show-cowのコスプレを披露。笑いの方向性以前に、今の時点でお笑いの地平に立っているかどうかすら謎である。