東京ダイナマイト単独「DYNAMANIA」(シアターアプル)

3年前の冬。コンビを組んで間もない東京ダイナマイトシアターアプルにいた。そのライブの感想をハチミツ二郎は後日「すげえ。吉本にいればあんなライブが出来るのか」とHPの日記にしたためている。その年、二人を圧倒したダイノジM-1決勝進出を果たした。
そして東京ダイナマイトは3年がかりでシアターアプルの舞台を踏むことになる。客席はあの日のようにフルハウス。それはM-1よりも東京ダイナマイトが”到達”を象徴した出来事に見えた。
はたして満を持したライブは幕間の映像が存外に適当な出来で、その分コントに力を注ぎこんだことが歴然。ジグゾーパズルで常に3ピース足りないような居心地の悪い笑いは、ますます完成の域に近づき、冒頭から続いた「職員室」「麺の湯きり」「レストラン」のたたみかけに至っては「このステージ、どれだけ面白くなるのか」と息を呑む仕上がりだった。
しかし段取りミスやマイクの不調も手伝い、後半になると徐々に失速。グランドフィナーレで二人がCCBを熱唱する時には、ダイナマイト爆発点とそのボタンを押す技師以上に舞台と客席の距離が開いていた。パズルのピースが欠けた箇所に『たべっこどうぶつ』の動物ビスケットを入れ込んだような未完成ぶりが、東京ダイナマイトらしいといえばらしい。
またこの日の告知によれば、5月にはダイノジと合同ライブを開催し、今夏にはこれも3年ぶりに野音に進出するという。まさに時代は糾える縄の如し。さらに遡ってハチミツは吉本で作家を、松田は名古屋でピン芸人へと戻るかもしれない。それでも二人で肉マンネタをやっていそうだけど。