「ぼくもいくさに征(ゆ)くのだけれど」「逝ってよし」

友達の稲泉連くんが偉業を成し遂げていたことを今さら知る。それも実家の母親からの「新聞で見たわよ。あんた友達なんでしょ?」という電話で。
http://www.asahi.com/culture/update/0412/014.html?t
私の引越しでレンタカーを運転してくれて、『あしたのジョー』や『最強伝説・黒沢』を貸してくれた稲泉くん。この本もどこから経費が出るわけでもなく、当初は出版社も決まらない悪条件にかかわらず、彼は関西に足繁く通って取材を続けていたのである。上梓したらしたで誰も買わないような小売価格を設定され、部数も僅少。その苦労が報われたかと思うと、全然祝福する気になれません! 26歳でこんなビッグになりやがって! 辞退しろよ辞退! 26歳の春なんて俺なんか無職だったから家にいると鎖骨より肩身が狭いもんで河原を散歩して桜を見上げながら「これからどうなるんだろう?」って全身水浸し気分で震えていたんだぜ! 今もあんまり状況変わってないし!
とりあえずライターとして彼を越えることは今後ないと思うので、正力松太郎賞とMTVアワードぐらいは私に先に譲ってください。受賞おめでとう。