ゲイが合唱する『グッバイ、ノーマル・ジーン(さよなら普通の遺伝子)』

イギリスで騒然のピアノマン、と呼ぶのは辟易だからピアノ君。日本で居場所をなくしたピアニスターHIROSHIが亡命したのかと思ったらどうにも別人らしい。そのうち「フランスでKAN発見!」のニュースも世界を駆け巡ることだろう。
それにしても舞台が英国・事件の経緯・ピアノ君の写真アングル、どれをとっても浦沢直樹の『MASTERキートン』を彷彿とさせる物語ではある。
案外にこの人物は、同書を絶版に追い込もうとしている究極&至高の右翼・雁屋哲に対する、小学館からの刺客ではないのか。そのうちピアノリサイタルを開いて日本のアニメソングを次々奏で始めるが、中村由真『DANG DANG 気になる』の演奏だけは絶対拒否。それはさておきピアノ君の聞き込みで”近所に住むやたらニコニコした優しい太っちょ”が現れたら、奴は浦沢ワールドだと確実に冷徹な極悪人だから気をつけろ!
しかし結局は大衆紙『SUN』で男の顔写真を見たエルトン・ジョンが、身元引き取り人を申し出て一件落着になる可能性が一番高いと思うのだった。