柳家喬太郎独演会(東京芸術劇場小ホール)

演目は「国民ヤミ年金」「孫帰る」「死神」。「孫帰る」はほのぼのした会話劇かと思って油断して見ていたら、終盤、急転直下の展開になって目が覚める。
ところで「死神」は明治時代に三遊亭円朝がオペラ「クリスピーノと代母」乃至はグリム童話「死神の名付け親」を下敷きに創作したものと言われている。しかし今回、死神が気まぐれで下界に降りてきて人間に特権を与える冒頭を見て、そのルーツが「デスノート」にあることを確信した。この際、「デスノート第3部」は落語界を舞台にしたらどうだろう。楽屋に置かれたデスノートと根多帳が混合されたため、名前を書かれた噺家が次々と死亡。そしてLの正体は鈴々舎馬風と判明する……頭の先からバネが飛び出してる私の言ってることが分かりませんか。理解者は人間界で3人、神様界で800万人いればいいです。