太田プロNEW WAVE LIVE(新宿安田明治生命ホール)

とある事情でこの1ヶ月続けたお笑いライブお遍路紀行。88箇所目にたどり着いたのが太田プロだった。格の違う会場、やや高めの値段設定、スタッフワークの機敏さにくわえて、客のマナーも上質。なんだこれ。私は中野studio twlを振り出しにした双六のあがりにでも着いたのか。
それでいてライブがつまらなかったら愉快なのだが、悔しいことに密かに若手が育っていて面白かったのである。その波に影響されたのか、ゲストの鬼が島まで野田が宇宙の果てへと暴走して面白くなっていた。とびきりのフラがあるカメレオンブラサース、Wオカマ口調漫才の風藤松原。そして何よりもトップリードの「物忘れの激しい友人」ネタが白眉。POISON GIRL BANDが漫才前の風景なら、このコンビが見せるのはコントの原風景なのである。考え出すと止まらなくなるからこの際考えない。でもトップリードのコントはもっと見たい。
それはさておきライブ途中に気がついて驚いたのは、風藤松原の風藤が大阪吉本にいたランチであること。なるほど、あの口調、キャラ設定、それにネタの生産性までビッチビチに考えて作りこまれているのだろう。私はどういうわけかルミネで偶然ランチ最後の舞台を見ていた。時に人は意図せず、他人の人生双六のあがりとふりだしを目撃することがある。感慨にふけっていると、舞台ではデンジャラスが「青春、青春、そりゃ買春!」とはしゃいでいた。ノッチは早くサイコロを振りなさい。