鞭をしならせて布団を叩くインリン様

ハッスル観戦のため横浜アリーナへ。「恋愛」「個人」などの言葉は明治時代に生まれ、以降、概念が定着していったわけである。それ同様、昨日を境に「アメリカンプロレス」という日本語が死に、代わって共有概念「ハッスル」が誕生してしまった気がする。完全に近年のプロレスが取り込めてこなかった世間・女・子供層を一掴みで捕らえてしまってるんだもん。まあすごかった。宗家・和泉元彌があんなに強いなんて知らなかったし、鈴木浩子の名前の地味さからは想像もつかないタレント性にも唖然。誓ってもいいが、絶対に『KAMIPRO』では3号以内に単独インタビューするし、半年以内に昼ドラヒロインの座を射止めることになるだろう。
そしてレイザーラモンHGの活躍は、目の前で現実の出来事が起こっているのにホログラムで嘘の世界を覗き込んでいるような気分に。これ『新しい波8』ではスーツ姿で跳んだり跳ねたりして、『オールザッツ漫才』では「このキャラいじるとヤケドするから触れんとこ」と先輩芸人に扱われていた住谷と同一人物なのだろうか? とんねるずのようにテレビ番組の政治力を駆使してビッグステージに立った芸人はこれまでもいたが、HGは人気・勢い・キャラクター設定・学生プロレスで培った身体能力、全てのベクトルが一点に重なって、そこにいるのが当たり前の如くリングに立っていたのである。もしかするとバッファロー吾郎イズムの最終到達点を私は見ていたのかもしれない。
もし昨日の興行にケチをつけるとするなら、11月3日という日程だ。そのせいで渋谷でやっていた神無月の40歳誕生日記念&初単独ライブ『パーティー★フォーティー』に行けなかったのだから。神無月の方もスカパーでペイパービュー放送してくれないものか。