ダイノジ単独ライブ「I LOVE TOKYO」(シアターモリエール)

おおちが胡散臭い演歌歌手や、リビドーをつゆとも刺激しないメイドに扮したコントが秀作。ツッコミのフレーズで笑わせる漫才師は少なくないが、これだけキャラ立ちしてツッコむコントは珍しいのではないだろうか。ダイノジは漫才よりコントで汗をかく方が似合うのに。
またこの日客席がざわついたのは、幕間映像でAV男優役の大谷がさらしたえげつない裸体。社員旅行の温泉で湯煙の向こうに見た課長のようなだらしなさで、ナルシストなのにあの肉体は。その後のコントでは衣料の限界までピチピチにのびた黄色いポロシャツの下にどす黒い乳首が浮かび上がり、どう料理しても食えないパパイヤを思わせるビジュアルに前の女性客は小さい悲鳴すら上げていた。そんな阿鼻叫喚を孕みながら舞台は進み、相方のおおちはみるみるうちに声を涸らしていく。この二人は何にメタモルフォーゼしようというのか。