5じ6じ(ルミネtheよしもと)

ふと劇場に足を運ぶとピンネタに挑むレイザーラモンRGが登場。本当に偶然ながら「ビッグポルノ」「世界キワモノ演芸」「ぴん祭り」など、最近行われたRGの東京仕事ほとんどを私は目撃していることになる。もちろん注ぐのはファンの視線ではなく、保護監察官のそれだ。
さてこの日のRGはどういう訳か出渕誠の素顔を思いきりさらしつつ、稲川淳二、デイブ・スペクター、滝川クリステルなど、芸の領域が広いのか狭いのか分からない、でも落ち着いて考えると相当にやっぱり狭いモノマネを披露。特に滝川クリステルが絶品だった。それに比べてデイブ・スペクターは出渕がスベってるのか、真似をしているデイブがスベってるのか曖昧で、客席は「モノマネ王座で声が似ている歌手の歌を”物真似”と称して地声で歌いきってしまう新人アイドル歌手」を見るような当惑に包まれる。
ひとつ気になったのは永井佑一郎が胸に「BREAK BEATS」とプリントされたTシャツを着ていたこと。永井の芸がブレイクビーツであるのに何ら異論はない。しかし天津・向の着る萌えジャージが「ボクはオタクですよー。気持ち悪いって指差してくださいよ!」という清清しい自己申告であるのに対して、永井には「ボイスパーカッションとかラップとか言う人もいますけど、はい、僕のやってることはブレイクビーツですから。え。ブレイクビーツって伝わらないですかね。うーん、プロディジーとか聞きません? 知らない。そうかあ。まあいいんですよ笑ってもらえればジャンルなんてホントに。はい? ファンタならよく飲む? それブレイクビーツじゃなくてグレープジュースですね。あ〜でもケミカル・ブラザーズのファーストぐらいは最低押さえてもらえればなあ」とでも言いたげないやらしさがそこはかとなく漂う。特にこの日はスベっていたから余計言い訳がましく映った。もちろんただの考えすぎで、地雷撲滅イベントに「ARMY」Tシャツを着てきたGLAY・TERUのようにただのド天然である可能性も拭えないが。