フットボールアワーのシンジュクトーク(シアターモリエール)

間が空かないように岩尾が必死で話を繰り出す姿がちょっと意外。しかしトークよりも面白かったのは、DVD『高校教師』の名場面を流して岩尾が勝手に想像を膨らませるコーナーだった。岩尾は稀有な造形が導く人間的なドキュメントの部分より、更地に物語を組み立てていく作家性の方が優れているのだなと認識する。だからコント仕様に変貌を遂げてからフットボールアワーの漫才は段違いに面白くなったのだろう。
それに対してフリートーク中におっかない空気をビシバシ放っていたのが後藤。それもダウンタウン・浜田のような「いつキレるか分からない」怖さではなく、「もう怒ってるのんじゃないの?」と思わせる不穏さが渦を巻いているのだ。不機嫌とはまた違うし、なんだろうあの威圧感は。その理由はおいおい考えていきたいが、あれが岩尾頭頂部の耕地面積をみるみる減らせている一因であるのは確か。サイコパワーで焼畑を発火させてる光景が脳裏に浮かんだ。トークいらないんじゃないか。