お笑い裁判の歩き方vol.2(北沢タウンホール)

稀代の裁判ウォッチャー・阿曽山大噴火による裁判トークショーは、珠玉の傍聴話が2時間半も語られる充実の内容。去年の興行も同日に行われたらしく、舞台では「5月9日を裁判の日にするか」との会話が交わされていたが、翌日の5月10日こそ”コート”で裁判の日だろうにと思う。うまい。うますぎるよ俺。こうしてうまくて笑えないことを連ねたまま朽ちていくのか不安は尽きない。
さて聞き手である阿曽山の監督者・大川総裁が異端に身を置きすぎていて、TBSラジオ『ストリーム』のように常識人・小西克哉を相手にしてる方が話のコクが浮かび上がる気も。そんな阿曽山の話は三谷幸喜的ウェルメイドな物語展開と根本敬的人間の修羅の中間点にあることに気づく。
公演後、ロビーで本を売っていたので購入すると、間近に面する阿曽山は緑の髪の下に借り上げた地肌が透けて見えて、下半身はスカート着用。本当にこんな人間が存在するのか不思議に思えてきた。裁判というノンフィクションと語り部としてのフィクション目線の中間に存在するのかもしれない。と考えていたら、前の人まで日付入りサインだったのに、行列が長くなると見るや、私の番からただのサインになった。思いきり世俗にまみれている。