ガリットチュウ単独ライブ(シアターサンモール)

熊谷がとにかく絶好調。古畑任三郎のパロディで”クオリティ”という言葉とは無縁の田村正和模写を披露し、福島のマニアックモノマネのMCやアドリブを強要されるロボットコントでは「まあこれくらい出来たら上等じゃない?」と観客が地上5センチで設定した想像力のハードルを地下を潜って通過する重心の低さを見せつける。また珍しい漫才でもコンパスが北極点の上で高速回転するような永久に方向性の見つからないツッコミを連打連打連打。なのにどういうわけかどの振る舞いも面白く、会場には同情でも憐憫でも共感でもない無意味に幸せな笑いが起こるのだった。
だんだん鋭くなってきた福島のスキル(x)に対して、年数を重ねるごとに刃こぼれを隠せない熊谷の技量(y)。この数値が反比例していくのに、xとyの積は微増しているのが実に不思議だ。何を書いているのか自分でも分からなくなってきたので、xとyの解は多胡輝先生に聞いてください。