余一回”柳家喬太郎の会”(池袋演芸場)

当日券を求めて窓口に並んで粘っていると、バックパックを背負った黒いポロシャツの不審な男が列に接近してくる。よく見たら劇場入りしようとする喬太郎師匠だった。「みなさんわざわざありがとうございます。……まさか今日は期待して来たんじゃないでしょうね? 私にはそんな力ありませんから期待しないでくださいよ!」と言い捨てて去って行った。で、書くのも莫迦々々しいが高座は上出来。カッコよすぎる。ちなみに演目は「東西子ほめ」「赤い部屋」「8月下旬」。
しかし当日券目当てで待ちくたびれてるところに目当ての芸人が声をかけてくれる至福のやり取りは、池袋を行き交う人には”「オレ、中期の運送業見つかったよ!」と熱弁するハローワーカーの報告に微笑ましく耳を傾ける老若男女のワーキングプアたち”にしか見えなかっただろう。喬太郎師匠の異様に膨らんだバックパックに入っていたのは、生活用具ではなくて着物です。多分。あとゲストとして出演したさん喬門下の二つ目は柳家山谷じゃなくてさん弥です。多分。