ニュースタッフエージェンシーライブ(シアターD)

断言してもいいが私は増谷キートン主催のイベント「キュートン」と原田16才というこれまで全く交差しなかった異端芸人の線を、時間軸、空間力学の観点から語れる唯一の批評家というか生活評論家、もしくは数少ないジャーナリストというかコスメライターである。まあこの際、ありふれた市井の人々という肩書きだっていい。そんな私だから、ロフトプラスワンで開催された「増谷キートン軍vs原田16才軍」に行くのは非国民の義務。しかし諸々の事情があってこの日はシアターDへ。
もっともくだらなかったのはヴィンテージというコンビで、サーフボードを携えて登場したボケ・武井がサーファーのノリで押すという内容。出オチにもかかわらず、その後も言い方・勢い・開き直りなどフルコースの卑怯を重ねた挙句、3分程度で舞台から消えていった。流行らない定食屋が起死回生で作った全部盛り丼の味がして、店内では決して口に出せないが結構おいしかったのである。
またアンケート集計中に芸人が各自の特技を披露するコーナーがあり、武井は全身星条旗という謎の国旗スーツで再登場。「アメリカといえばこれ! ケン玉やりま〜す」と改めて卑怯な芸風を見せつけていた。出オチ+言い方+勢い+開き直り=卑怯。その方程式に「+親米」をくわえてもやはり回答は「卑怯」であることを知る。