『イロモネア』の南原清隆はK-1における藤原紀香の立ち位置に酷似

すっかり忘れていた情報を。今週発売の『ぴあ』(たぶん全国版)からM-1グランプリ・カウントダウン企画が始まり、今回、ブラックマヨネーズにインタビューしてます。誌面の容量上、聞いた話の3分の1程度しか掲載できなかったのは残念ながら、取材で二人が語ったエピソードは漫才師としてカッコよすぎ、そして吉田のエグさが目に優しくない光量で輝いてました。昨日の『イロモネア』でかましていた眼球を抉るモノボケも『カムイ伝』なみに荒んでいて最高だ!
さてブラックマヨネーズがM-1で嘘偽りない天下を獲ったほぼ10年前、下北沢のさほど大きくない舞台で小さい頂点をきわめた漫才師がいた。
そのコンビ名は、下記のサイト・水道橋博士の「本、邪魔か?」(23)を読めば分かる。
http://web-davinci.jp/contents/four_channel/index.php
私もそれなりに雨空トッポライポの漫才は見ていた方だ。その程度のウォッチャーが活字で読んだ漫才に対して感想を述べるのも詮無いけれど、ボケやらツッコミやらの境界線が壊れてダム水が迸ったような勢いある見事な掛け合いだと思う。でも笑えなかった。いろんな思いが去来してしまって。
この時、雨空トッポライポは結成8年目。奇しくもブラックマヨネースがM-1優勝を果たした時と同じ芸歴である。
あの時代、ラジオの一企画だった『お笑いゴールドラッシュ』ではなく、『M-1』が存在したら雨空トッポライポはスポットを浴びていただろうか?
私には分からない。ただトッポライポの漫才を読んで確信するのは、時代の熱を帯びていつかは風化していく笑いは、たとえ時が経って金属のように冷たくなったとしても、熱では収まらない何かを残していくということだ。
あともうひとつ分かること。それはトッポライポの結成が1989年で、さきほど記したライブが96年と知りながら、私が「芸歴8年目」と平気で嘘をつくことである。いや、だって、そっちの方がなんかしっくりきて読みやすいからさ。いいじゃん芸歴の1年や2年ぐらい。なんか分からないけれど岡本夏生万歳。