神奈月単独ライブ「パーティー★フォーティー vol.2」(新木場1st RING)

今発売している『ぴあ』で「萩原流行、石原良純、新庄剛志といった王道の路肩を走るモノマネで、多くの男子と一部の芸人のハートをつかんで放さない男」と紹介された神奈月。というかこれ俺の書いた原稿だ。3500円の実券を握り締めて新木場へ向かうと、会場には全日本プロレス提供のリングが! それを見た瞬間「このライブは最高の出来になるな」と確信したら、案の定最高すぎるライブだった。
第1部では原型の鋳型がまったく見つからない乙葉から今さらの柴田恭兵まで平均点60点前後のモノマネが矢継ぎ早に飛び出し、ネタ間の映像「船越英一郎の太田プロ潜入レポ」「UWAI STATION主催・上井文彦の顔マネ」「子供たちを襲うクレヨンしんちゃん」に抱腹絶倒。特にクレヨンしんちゃんのケツ振るモノマネなんて、十数年前テレビ東京の『マネマネ天国』で披露して、笑いひとつ起こらなかったネタじゃないか! あれで神奈月のファンになったことを思い出す。
もちろん第2部のプロレスイベントも秀逸で、アントニオ猪木(フィギュア)vsアンドレ・ザ・ジャイアントの一戦は小学3年生でもやるのを躊躇うような世紀に残るしょうもない戦い。そしてメインマッチは夢の武藤敬司(神奈月)vs三沢光晴(イジリー岡田)、レフェリー・和田京平(なぜか本物)! 神奈月&イジリーというアンダーモノマネ界のフリッパーズギターとでも呼ぶべきカリスマの競演だけでも素晴らしいのに、本邦初公開というイジリーの「ザ・リーヴ」歌マネに私は悶絶した。参考映像はこちら。
http://www.leavelife21.com/mdata/cm4.mov
と徹頭徹尾”最高”の興行だったわけだが、一部で目立ったのが最前列とリングサイドを占拠し、全身から滲み出る神奈好ラブを隠せなかった若者たち。リングサイドの男の子なんてギャグのひとつひとつにリングを叩いて爆笑し、いつ絶命してもおかしくないテンションで笑っていた。そんな明日あるカンナヅキッズを遠くに眺めていると、日本のGDPが下がっていく予感が拭えなくなる。