ギブUPまで待てない!リターンズ vol.2(新宿FACE)

プロレスを語るべき芸人たちがプロレスについてウダ話をする桃源郷イベントもついに不定期開催ながら3回目に。ケンドーコバヤシ、ユリオカ超特Q、ジョーダンズ・三又のレギュラー陣にハチミツ二郎がくわわって体制はますます磐石に見えたが、トークするうちに三又のプロレス最新情報の浅さ、話題の狭さがどんどん露呈していき、気がつくと”なんとなく中心人物を装ってはいるだけど、いない方が実は順調に機能する”という初期M-1の西川きよし師匠的立ち居地に追いやられていた。
そして永久に続くと思わせた4人のヨタトークは前半で終了し、後半は西口プロレスvsMPG(三又プロレス軍団)の抗争へ。このロイヤルランブルマッチがケンドーコバヤシ&ハチミツ二郎の滋味あふれる解説、三又の退化と膨張が並走する肉体、ユリオカの表面的なドラゴン藤波憑依、三平×2の社会に放逐しかねる攻撃性、RGの人生を背負い込んだようなバンプなど、笑い所が満載で、かつリング上には猫ひろし、神奈月、井上京子、春一番といった錚々たるタレントが出てはすぐに消える贅沢さ。しかし各出演者の脳裏をよぎった「最後、春さんの猪木で〆るからなんとかなるっしょ」安心感がリング上に緩和の気団を生み出し、試合は方向性が全く見えない謎のシロモノに。鍋に高級具材を一口ずつ入れて、食べ終わったら店も客も何が入ってたのか全く思い出せない鍋物のようだった。今となっては何味だったか、ダシをとっていたかすら疑問だ。最後、20人近い出演者がリングを埋め尽くし「1,2,3、ダーッ!」と唱和する光景を見ながら、私は「これがカオスってやつなんだな」と呟いていた。