マッスルハウス4(後楽園ホール)

プロレス者たちの胸を震わしてやまない奇跡の興行『マッスル』は、期待値が上がりきったせいか、前半戦は小ぶりな仕掛けが並列的に続く、いつもに比べると凡庸な仕上がり。しかし終盤、鈴木みのるの登場により物語は大きくうねりだし、最後は大オチに唖然としながら爆笑するのだった。まるで298ページまで読むのがしんどくて、最後の2ページにどんでん返しがある京都大学推理小説研究会出身作家が書く小説のような展開。でもトリック至上主義の新本格派ミステリーと違って、亜流プロレスの『マッスル』には登場人物に血肉が流れていた。だんだん絵空事だった”衝撃の結末”も形になりつつある。あとは早く俺たちを武道館に連れていってくれ! ついでに京大ミス研の奴らは島田荘司の創作活動以外の全てを注意してやってくれ!