品川庄司の庄司が筋肉をさらしてる最中、後ろから本人登場で現れるぶるうたす

天井がなければフリーマーケットと区別がつかない、毎週品揃えがドラスティックに変わる駅前の安売り店でお笑いのDVDを見つけた。赤版・黒版に分かれたその作品名は『お笑い吟醸ライブ・極み』。協力先「シティテレビ中野」と「サンミュージック」の上に何のためらいもなく「ゲオ佐野店」のシールが貼られたこのDVD、メンツが「天晴れ」の一言だ。
(赤版)さくらんぼブービー・ペコちゃん・鳥居みゆき・元気いいぞう・ぶるうたす・サムライ日本
(黒版)殿方充・汗かきジジイ・げんしじん・へらちょんぺ・ミスター梅介・だるま食堂
眩しい。天が晴れたとはいえ、これは眩しすぎるだろ! VHSでも記録されなかったカルト芸人たちが、検察取調べで録画が促進される時流に乗って、一挙にDVD保存で集結。もし作品にアフィリエイトを貼ることができたら、逆に請求を受けそうな気さえしてくる。
さっそく2本で500円という鶏のモモ焼きみたいな価格で購入し、中身を見たらやはり最高。ぶるうたすの筋肉の張り、静かな客席に響くだるま食堂のコーラスワーク、げんしじんのオシャレっぷり、何ひとつ変わってないのだ!(93年刊の高田文夫責任編集『キンゴロー』内の「若手芸人ファッションチェック」で現役スタイリストから95点の採点を下されて以来、げんしじんは俺の中で永遠のファッションリーダー。ちなみに最下位は故・雨空ライポのマイナス40点) 唯一変わっていたのはミスター梅介のギターが、ベタな丸いホールのない、こましゃくれたタイプになっていたことくらいか。ただ法律ネタは陪審員制度導入前に見直しても相変わらずのキレのなさ。猛烈に嬉しい。
このシリーズが好評であることに疑いの余地はないのだから、ブラック嶋田が手品を披露する金版、ひびきわたるがキセルで馬のいななきを真似する銀版も発売して『LOST』や『プリズン・ブレイク』みたいにツタヤの一画をブイブイいわしてほしいものだ。ちなみにこのDVDをどうしても見たい方は、店先で山積みになったブツを20万円で転売するので気軽に連絡ください。