第69回立川談笑月例独演会(お江戸日本橋亭)

噺の骨子を器用なんだか強引なんだか分からない手腕で現代に骨髄移植する談笑の”改作落語”。今頃になってその存在に衝撃を受け、いそいそと独演会へ。主人がやたら嗜虐趣味の「紙入れ」や、社長がカラオケに狂う「寝床」など4席。
今回は何よりも枕が過激で「誰が××に人権与えたんでしょうね?」「九州には××が多い」など、隣人だったら親切心から思想警察に通報したくなる発言を連発。ふだん「差別ネタでビビる奴はお笑いなんか見るんじゃねえよ」とうそぶいている私すら見事にひいて、思わず夜泣きが止まらなくなった。近くの席には「初めて生で落語を見る客」の質問におそるおそる手を上げていた客がいたので、高座の終わりがてら表情を覗き込むと絵に描いたようなニガー笑い、ではなくて苦笑いをしていました。今の間違いはさっきの伏字となんら関係はございません。たぶん。