山里亮太ソロ計画第1弾「山ちゃん祭り」(本多劇場)

開演1週間前にチケットを買うと整理番号が40番台だったので、会場が下北沢「劇」小劇場かと思っていたら、到着すると正面の本多劇場であると知って愕然とする。しかし「ゲストにキングコング・西野」の情報が回ったせいか会場の入りは7割程度に。くわえて当日は「2008年のM-1は南海キャンディーズとして参戦を表明」「芸人Sへの真剣すぎる悪口」など、成人式らしくおめでたい話題が振りまかれ、ブログ界隈において話題になることが約束されたかのようなライブだった。
そんな舞台のほとんどは東京吉本の若手とのトークに費やされ、ひたすら前に出ていく若手をバイオハザード的に次から次へとさばいていく山里の技量は華麗の一言。とりわけしゃにむに前進するエリートヤンキー・橘を筆頭に塊となって押し寄せる東京NSC9期生へのいなし方が絶妙だった。一方、自身のNSCの同期である西野とのトークでは、西野が会話から素早くキーワードを見つけては独演会で磨いた尺の長い長い鉄板話へ強引に持ち込むこと5回。開始の笛と同時に仲間が軽く蹴ったボールをそのまま一人でゴール狙うようなスーパーワンマン陶酔プレーに、横で嬉しそうに頷く山里の瞳は驚くほど笑っていなかった。あれはチームメイトでもなんでもなく、花形プレイヤーのスパイクに剃刀を仕込む2軍の顔だ。
イベントの最後では40名近い芸人の中から、トレンディエンジェルや南国姉妹・国場など、わずか8名が山里を兄貴として慕うことを志願。そこに並んだアクの強いというかアクそのもの顔は3軍を超え、完全にテロ下部組織の装いに。このライブの第2弾は本多劇場でなくて、どこぞのアジトで開催されるとしか思えません。