20分漫才(シアターブラッツ)

若手5組による20分漫才ライブ。囲碁将棋の「シャ乱Qの歌詞を思い出せない」に始まる一連のネタは長身の二人が力感のないフォームからお互いが冴えたフレーズを発するもんだから、序盤はどちらがボケなのか分からない始末。しかしほとんどの出演者がちぎっては投げちぎっては投げのギャグで20分の時間が滔々と流れる中、囲碁将棋だけは球のキレ・コントロールが確かなうえにしたたかな”配球”まであって、特徴のない若者二人がただ立ち話をしてるように見えるのに、結果、なんだかやたら面白いという理想の漫才になっていた。あいつらやるな。
またシアターブラッツの客席はなぜか芸人の身内が固まりやすく、この日私はタモンズという若手の友達群の中に放り込まれる。それほどお笑いに興味なさそうな彼らは囲碁将棋が終わると「あの人たち面白いねー!」と素直に感想を漏らすだけでなく、漫才の間にツレ同士が近況報告したり、ツレのツレ同士が自己紹介したりして、ライブ終了時には私を取り囲む周囲が急速に仲良くなっていた。私が碁石だったら消滅しているところだ。