コヤカウポン!(ルミネtheよしもと)

若手ユニットである「フルーツ大統領」以降の長い不遇を経て、先日『めちゃイケ』の「笑わず嫌い王」で一挙起用された小籔千豊、土肥ポン太、COWCOWが「ついに地下生活から脱出の時が来た!」と鼻息荒く劇場を押さえたら、当日そこそこ空席が目立った”谷間に咲く百合”的存在の大阪NSC12期生らしいイベント。
土肥の野菜漫談、顔オチがしたいばかりに15分も前フリに費やした小籔の演技コーナー、熟女ものAVが好きな私ですら唸らせるCOWCOW・よしの愛娘の可愛らしさなど、ライブは安定した面白さだったが、身長さながら頭ひとつもふたつも抜けていたのはフリーに持ち込んだ小籔の喋り。「このライブに来なかったヤツはオレと関わり持とうとするな」「家のゴミを出すのは男の仕事やない」「60歳になったおまえ(土肥)が幸せになるとはとても思えん」など、立て板に水のトーク能力がどうでもよくなるほど、偏見、執着、疑心、悪意、狭量、毒牙、長身、菜食に満ち溢れていて、でもそれが笑えるという「偏った人間ほど面白い」を実証する話芸だった。どれくらい偏っていたかというと、私の近席にいた公演中ずっと「ふーん」と声に出して頷くお茶の間行動障害女性すら小籔が話している時だけは終始無言。舞台を見たら土肥もCOWCOWも相槌に窮していた。新しいジャンル「素直に飲み込めない話」の誕生である。