チョップリン銀座の夜(銀座小劇場)

大阪を拠点に活躍するコント師・チョップリンによる東京出張ライブ。見るたびに小林の気持ち悪さがにじみ出ているようで、そのキャラクターが強調された「いたずら電話」や「恋するホモカミ」が秀逸。よく若手が単独でやるホモコントはコンビ愛の延長が禁断の関係へ、という図式がもっぱらなのに、チョップリンは各自の気持ち悪いと思うホモ像を舞台で戦わせているだけ。コミケでなく飯場の世界観なのである。面白いコントはどれもテレビ対応が難しそうで、その密室感がまた狭い劇場にマッチして心地よかった。
単独を終えた二人は「このままテレビ朝日『虎の門』の生放送、「あの人ならこんなこと言いそうだなあ選手権」に出演します」と告知。家に帰ってチャンネルを合わせると、小林はセリフを軽くかみかけてスベり、西野は決勝に駒を進めてスベる(あまりのスベりように画面から沈黙の波動が伝わってきた)という二段構えの攻撃でわれわれファンを魅了し、さすがの存在感を示した。チョップリンの銀座の夜は、深い。朝はいつ来る。