オールナイトピンク寄席〜オール下ネタ大進撃!〜(ルミネtheよしもと)

イベント名が全てを物語っていて、それ以上つけたす言葉が一言も見当たらないイベント。東西やら多忙やらの枠を超え、当然のようにシャンプーハット・小出水、ケンドーコバヤシ、すっちー、増谷キートンなど、下ネタの向こう側にあるコクのあるエロスを提示してくれる面々が参戦した。しかしいないのである。総勢50名はくだらない出演陣の中にリットン調査団・藤原がいないのだ。藤原といえばエロスの先にある性の袋小路を垣間見せてくれる稀少な芸人。出演予定芸人にその名前は告知されていなかったけれど、『水野キングダム』における水野国王のような御神体的役割で出演することを疑っていなかった。大好きな千葉ロッテマリーンズの大松を応援しにオールスター戦に向かってしまったのだろうか? それとも自身の草野球チーム・ピンクソックスの試合が翌朝から組み込まれていたのだろうか? ショックで心が挫けそうになるが、劇場のトイレに『月刊真木よう子』を持ち込んで10分ほどこもっていたら、思った以上にリフレッシュして藤原のことをすっかり忘れる。
はたしてライブはそれぞれの自慰スタイルや好みのAVについて語ったり(品川庄司・庄司が強く推奨していたアテナ映像「カメラテスト」シリーズは早くチェクせねば!)、ケンドーコバヤシが『アメトーーク』でプレゼンしていたTENGAトークが実現したりと充実の内容。若手のネタでは、インポッシブル「大きい女性器と戦おう」、ジャングルポケット・斉藤&渡辺直美「バイト先で彼氏に遠隔型ピンクローターを仕込まれた彼女」、Bコース・ハブ「マンペ漫談」が素晴らしかった。そして朝4時台にはRGがマンを持して登場。『ビッグポルノ』『キワモノ演芸』でさんざんウケた市川AB蔵によるOI!お茶パンク「サトエリ」を、たいしてエロい内容ではないのにAB蔵が勃起しているという設定だけで強引に下ネタとして披露するものの、客席はほとんどノーリアクション。今や伝説となっている『バッファロー吾郎の23時間半ライブ』のRG主導コーナー「イズドン」では朝4時の舞台に埃が舞っている光景を肉眼で確認できたが、今回はバックトラックの圧にかざされて埃が優しく揺れていた。新宿でRGがスベる時、カムッチャカ半島には朝が訪れる――(うろ覚えで谷川俊太郎先生『朝のリレー』より抜粋)