ものまねプロレス祭2008 まねんのか!(後楽園ホール)

太田プロを中心にプロレス偏愛芸人が集まり、リングの上で中学生レベルの死闘を繰り広げる真夏の祭典。詳細はこちらに。
お笑い&プロレス好きの心を満たす莫迦々々しい試合が続く中、特に心をくすぐられたのが寺門ジモンの対戦だった。後輩芸人たちをなぎ倒していく接待プロレスがその趣旨なのだが、カールゴッチを意識したキャラクターで登場したジモンは、鍛え上げられた肉体を誇示したかと思えば、昭和プロレスのムーブを軽く浅く繰り出し、最後はどぎつい角度のエビ反りなど、どうかと思う本気度の高いフィニッシュ技で後輩を料理していく。その全仕事が強さを見せつけたいのか、それともエンタメに徹しているのか全く読めない中途半端さで、「どんなグダグダでも受け入れるから!」と両手を広げて待つ観客すらも置いていく至上のぐだぐだぶり。プロレス会場では観客の共感の対極に「ヒート」があるものなのに、あんなでっかい喪失感だけを残していくとは。やはりジモンは百味も千味も違う。
なお私が一番笑ったのは、「細かすぎて伝わらないプロレスものまね」を披露する第2試合に現れたエル・サムライ(三日月シュガー)の壮絶な細さ。高岩の餅つきパワーボムを食らったらそのまま餅になるかもしれない。