新年工場見学会09(アトリエヘリコプター)

今頃になって存在が気になりだした五反田団の新春興行は、演劇やら獅子舞やらテルミンやら、何やらおめでたいものがわんさかと登場する。主宰の前田司郎が「年始に厄落とし的にこういう芝居をしておくことで、考えすぎた芝居を作らないように自分を戒めるしだいです」と語った「むらさき☆こんぷれっくす」という擬似少女漫画演劇に至っては、作演・前田司郎とは書いてあるけれど、本当は「バナナフィッシュ」「イケメンパラダイス」「快感フレーズ」に感化された仲代達矢が2秒で台本を書き、無名塾の塾生を蔵の中に押し込めて発狂するまでスキットを強要したのではないかと思わせる刺激的な舞台だった。
あとハイバイという劇団による出し物は、お笑い界ではアルフィーと並んで手垢にまみれたチャゲ&飛鳥を素材に、さらに結成間もない若手芸人が思いつきそうな「チャゲのオーディション」を扱いながら、社会非順応者によるディスカッション光景がだらだら続いていく異様な切り口に底知れないものを感じる。初見なのでまだ何も語れないけれど、この「チャゲ&飛鳥のニセモノ」を書いた岩井秀人、ホンモノかもしれない。それこそいろんな意味で。