toi presents「四色の色鉛筆があれば」(シアタートラム)

各方面から「青年団演出部の若手である柴幸男がすごい」との噂を聞いたので、作・演出の舞台を見に行く。1時間半に4つの芝居が詰め込まれていて、暗闇の中、客席を演者が囲んでpower of tenをラップする「ハイパーリンくん」だの、4人の男女が不規則な抑揚で2人を演じる「純粋記憶再生装置」だの、一人の女優が6人家族をひとりずつ演じていく、まるで吹越満のネタみたいな「反復かつ連続」だの、駅員用時刻表のように複雑な構成の「あゆみ」だの、もう何がどうなってるのか全く分からないけれど、とにかく新しかった。芝居を見終わって5日経った今でも、「あれは何だったんだろう?」とたまに思い返している。
さて公演の翌日、私は後楽園ホールにTスポのM本さんと「ハッスル」を見に行った。興行終了後、私とM本さんは居酒屋へ直行し、さっきまで行われたプロレスには全くふれず、「オールザッツ漫才」に現れたニューフェイス、とりわけクロスバー直撃・渡辺による郷ひろみの異父異母兄弟キャラ「GO! GO! ヒロミ」について熱く語った。訳が分からなくて新しいものだけが、私たちを生かす。