第15回ラジオデイズ落語会「立川談笑独演会」(西新宿ハーモニックホール)

演目は「天災」と「シャブ浜」で、「シャブ浜」は最後、涙を浮かべるほどの熱演に。原型が「芝浜」だから自然といえば自然なのだが、それでも冷静になって考えるとトラック運転手がシャブにハマる噺「シャブハマ」で瞳を潤ませるのはやっぱり莫迦々々しい気がして、二重に楽しめた。
それよりも特記すべきは、この日のゲストが米粒写経だったことである。立川談笑米粒写経・居島は早大出身の経歴以外にも、育ったのが亀戸と砂町で近隣だったり、どこかで戦争を望んでるフシが見受けられたり、なにかと共通項が多いのである。その共演ということで国体護持がテーマの気さくなトークコーナのひとつも期待していたが、舞台上で二人が直接接触する機会はなし。残念だ。
しかしこの日の前座は女性落語家にしては群を抜くキュートさの春風亭ぽっぽ。可愛いうえに小朝の弟子であるこの若手落語家を、立川流の談笑と小朝研究には定評がある米粒写経の2人が舞台裏から昏い瞳で睨めつけていることは間違いなかった。ぽっぽちゃん、気をつけて! あの3人は海老名美どりや神津カンナを真っ先にバカにするタイプだよ! じゃあ大丈夫か。それに小朝の隣にいれば談笑と米粒写経のダークさなんて、核施設の横で米のとぎ汁を排出している家庭レベルなのかもしれない。