立川志らく「雨ン中の、らくだ」出版記念落語会(紀伊国屋ホール)

komecheese2009-03-26

立川談春の「赤めだか」に続いて出版され、本人が「青めだか」と自嘲し、その他にも「談志と談春、ときどき、高田文夫」「噺家xの献身」「上納金に悩む力」「人の高座を笑うな」「それはさておきしつけえぞ勝間和代の顔と本」などの呼び名が高い談志賛歌本の出版記念落語会へ。トークコーナーのゲストとして招かれた談志が本当に現れるかどうか定かではないまま、志らくが「たちきり」の噺を演じていると、途中で楽屋からあわただしい音が漏れてきて客席にも談志の到着がオンタイムで伝わる。本当にドキュメンタリーな男だ。
その後、談志は舞台に登場し、私は初めて生談志を目撃した。その所作からは人間の”業”を肯定するがゆえ、伝統を現代に引き寄せようとあがく第一人者の矜持と懊悩が見てとられ、その時、舞台に揺らめくのは落語の最後の「灯火」に他ならなかったーーという感想は全く抱かず、私は「あ、なんだ結構声出るんじゃん」と思った。高田文夫の座談能力が異様に高く、志らくの談志ゴシップが根こそぎ面白かったです。