鈴本余一会「上方落語染丸の会」(上野鈴本演芸場)

鈴本演芸場上方落語の会を見る。最後のネタは「浮かれの屑より」で、紙屑を選別する若旦那が次第にご機嫌になって謡ったり踊ったりする話。その叱られても何度もふざける繰り返しがなかりしつこくて、「元気が出るテレビ」でパンチパーマ・相沢会長を襲うしつこい高田に匹敵する「もういいよ」越えからの面白さだった。しかもかなりの師匠である染丸は、この噺を演じるために踊りや浄瑠璃を稽古したのだという。それだけの努力を経て、たどりついたのが「刈り込まれた噺」とか「熟練の語り口」ではなくて「しつこい」。やっぱり上方落語は侮れない。でも高田純次がこの噺を演じたら、本当にしつこすぎて客席で激怒しそうな気がする。