学芸会レーベル(こまばアゴラ劇場)

約26歳の演出家を6人集めた「キレなかった14才♥りたーんず」公演の中で、図抜けて面白いという評判を聞いて劇場へ。幼稚園を舞台に保育士の行き過ぎたバトルを描いた作品は、作演の中屋敷が「おおきなこえでげんきよくがんばります」とチラシで綴る通り、映画『地獄甲子園』の世界を「もしも巨大な昆虫と戦ったら」でおなじみ東京吉本のインポッシブルが1人100役で演じたようなハイテンション芝居。結構笑いを取るパターンがベタだった、という感想が宇宙の藻屑に消えてしまうほど脚本と役者の熱量がすさまじく、最高の敬意をこめて「儲からないのによくこんなことするな」とうっかり感動すらしてしまう。公演中、主役の伊東沙保の額右部にくっきりと浮かび続けたバイパスのような静脈。あれが全てだ。見終わった後、劇場近くの東大学食でハバネロカレーを食べたら、熱にあおられてその場で卒倒する。