マッスル・ハウス8(後楽園ホール)

「業界騒然」というフレーズが定番化したマッスルへ。詳細はこんな感じだが、何が起きたかは混沌としすぎていて会場にいた観客しか理解できまい。中でもリング内の「クイズ・ミリオネア」とリング外の戦いがシンクロするくだりは、コントとして名作の風格。唐突に鈴木みのるメカマミーが戦いをおっぱじめ、東京ドームをバックに宇宙へ飛んでいく映像は、全てがチープすぎてひっくり返って笑った。
そのまま興行が終わるかと思いきや、最後はメンバーが団体の存続について憂い、観客にモバイル投票で今後の方向性を問う展開に。これが筒井康隆朝のガスパール』を思わせる前衛&ぐだぐだぶりで、いよいよ「マッスル」もプロレスの向こう側を征服して、その向こう側を探す漂流が始まったのかもしれない。そういう意味では大いなる蛇足だった。あと最初の30分も貧困問題や日墨友好記念などを盛り込んだ割りに、本編に何も影響を与えなかったことも味わい深い。こちらは小さな蛇頭