LIVE STAND`09（幕張メッセ）

大舞台に上がる芸人の高揚と、たくさんの芸人を見れる観客の歓待ムードが数センチも狂うことなく合致して、ジャンクな笑いを啄ばんで暮らす私のような人間は感想を述べるのもおこがましい黄金の興行。
この日会場に向かったのは「RGvsハブ〜ジャッジ熊谷〜」の戦いを見るため。その3人が登場したキワモンブロックでは、最近人気のキュートンはもちろんのこと、『ビッグイシュー』を売って生活してるようにしか見えない吉本最大のビッグイシュー・ニンゲン、ジャングルポケット・斉藤と渡辺直美によるディープスロートコント、北別府と郭源治のモノマネが最高すぎるDH億までがワーキャーの喝采を浴びていた。
そんな空気の中、今田耕司ドラフト2009年度1位の勢いを引っさげて登場した三浦マイルドは、ワーキャーの盛り上がりを一掃。「嫁がソープランドで働いて何が悪い〜！」「ワシはウンコ喰うぞ〜！」のフレーズを冗談として受け止められる客の絶対数が抜群に不足していたようで、AGE-MON STAGEのブースは沈黙を沈黙でコーティングしたような静寂に包まれる。私の耳には、後にいた少女の会話「ねえ可哀想だよ・・・。笑ってあげようよ・・・」の会話まで聞こえた。あの生ぬるい大気の中で、一瞬現れてすぐに消えていった地獄。それを見せてくれた三浦マイルドは誰からも評価されないだろうから、せめて私はＭＶＰをささげたい。
ちなみに音楽祭ステージを見ていた猥婦によれば、盆地で一位がジャジーな曲を、続く間慎太郎がこれでもかというバラードを演奏して、ノリに来ていた客がすごい勢いでつんのめっていたとのこと。結構、幕張には小さな地獄が転がっている。