通天閣劇場 TENGEKI(STUDIO210)

森脇健児の楽屋噺』リスナーにとっては聖地巡礼である、大阪松竹の地下アジト・通天閣劇場へ向かう。普段声しか聞いていない宮崎げんきシンデレラエキスプレス・渡辺、昔一度だけ角座で見た親娘漫才師・浮世亭三吾・美ユルなどの姿を確認する。娘の美ユルは芸も体も図太くなっていて、そこに至るまでの年輪を想像すると少し胸にくるものがあった。
さて同じ家族演芸で、ノーマークながら圧倒的な存在感だったのが夫婦漫才の宮川青丸・とん子師匠だ。漫才の終盤、「うちの息子が最近ジャグリングに凝ってまして・・・」の話をするのでまさかと思いきや、舞台袖に待機していた子供を呼びこんだのである。スティッチ!のバッグに道具を詰め込んだ夏休み丸出しの少年は、小学校ではトップクラス必至の、しかし演芸場で見るほどではないちびっこジャグリングを臆することなく披露。同じ事務所の兄弟漫才が「まえだまえだ」なら、こっちはただの「まえだ」君である。本名知らないけど。なぜか客席のオバチャンから「ありがとう」の声が飛んでいて、松竹独特の親戚感にしみじみする。
その夜はもうひとつの聖地巡礼として、松竹が誇るサイドビジネス芸人・若井たまる師匠が経営する立呑み処「たまやん」へ行くが、まさかの臨時休業! しまった! もったいぶらずに昨日の夜入っておけばよかった・・・。カンサンハムニダ。アローハ!(たまる師匠の新ギャグでこの項おしまい)