キムラ・ケブラーダ旗揚げ公演「キムラVSネタ」(シアターD)

バッファロー吾郎・木村によるソロライブは「R-1ぐらんぷりに出たいんでネタ作りました」「だからアンケートも今日は目を通します」といきなり公言。しかしそこに調整のゲネプロのため客を利用してやろうという狡猾な印象はなく、「大阪から駆けつけるはずの作家が仕事が伸びて間に合わない」「アンケート用紙を配布し忘れる」などの各種ドタバタと「芸人のイイ話をして小さく感涙」「RGの悪口を語ってニコニコ」の人間性が客をほっこりさせる。麒麟・川島やインパルス・板倉のソロライブは前田日明がリングスを旗揚げしたようなヒロイックな余韻が広がるが、木村のそれは大仁田厚が電話一本引いて「これでFMW旗揚げじゃー。ブレストファイアー」と叫ぶ中小企業設立の臭いがして微笑ましかった。
純粋なひとりコントは2本で、「小雪のDJ」ネタは一人なのに完全なバッファロー吾郎コントの世界。そんなの登場しないけれど、私にはテーブルを挟んで座っている綾瀬はるか役の竹若が見えた。もうひとつの「井脇村ノブ子」は本当にR-1にハマりそうなキャッチーさと小泉チルドレン壊滅後に井脇ノブ子を取り上げるタイミングに笑う。○キムラVSネタ●(1時間5分。トップロープを利用したラ・ケブラーダからの場外でスクールボーイ)