ビッグポルノ 〜ソフィスティケイテッドin東京〜(新宿MARZ)

現存するお笑いライブの中で、RGに歓待ムードが漂う数少ないイベントへ。今日もRGは確実にレベルの高い、しかし行き場のない歌唱力で下ネタソングを歌いきり喝采を浴びていた。最近、RGが音楽に造詣の深い事実が認知されだしているので、RGの歌がうまいことより、平松愛里と辛島美登里を愛聴するHGが無難にラップをこなしてることの方が不思議に思えてくる。
そしてゲストのオリエンタルラジオである。お笑いの世界には「男ウケ」が存在する。それを支えるのは、プロレスと下ネタとマンガを愛好し、「ライセンスにNON-STYLE? 俺らを笑わせないかぎり先には進ませねーぞ」と腕を組んで、自分が女子にウケないことを正義にすり替えるボンクラ連中だ(実は私もその組織のキャリア組である)。この日、自らの武勇伝を披露するトークコーナーで、藤森はピンクトーク、中田はイケてない学生時代の話をもってきた。無意識には違いないが「エロ」と「暗さ」のカードを突きつけて、イカ臭い男どもを囲おうとするこの鮮やかさ。某筋の情報によればルミネで漫才がウケてるらしいし、年末に悲願成就した際、「はあ、オリエンタルラジオ? やっぱり笑い飯だろー!」と騒ぎ立てる世論に対し、漫才ツアーと野郎を懐柔する二方向から着々と布石を打っているのかもしれない。
さてイベントの最後はビッグポルノfeat宇都宮まき、withオリエンタルラジオ、mixハンマミーヤ・一木and暗黒天使、リスペクトAFRA、それにつけても今別府直之による『All Night Need』『Click Truth』の大合唱で大団円を迎えた。そこで輝いていたのは明らかにオリエンタルラジオだったが、それでも男ウケ一派は場末の酒場へ潜り込み、「いや〜、ハンマーヤ・一木が披露したグレート・ムタエド・はるみの融合ギャグ「グレート・エド・はるみ」。あれ、最高すぎるでしょ!」と二級酒をすするのである。