シチサンLIVE(ヨシモト∞ホール)

東京吉本最大の傾き者・かたつむりの中澤が実家の飲食業を手伝うため、コンビの活動休止が決定。その最期を見届け、「また一人バカがいなくなったぜ・・・」と呟くため、∞ホールへ向かった。
これで最後の舞台というタイミングに、突然口の端に一円玉サイズの髭を蓄え、「織田信長みたいでしょ?」と笑う中澤。その傾き者全開の行為に会場が本能寺のように燃えた。ということはなく、全観客が「どういうつもりだ?」と首をかしげた。そんな二人のトークがあり、林の新しい相方を探すオーディションがあり、最後は楽屋にいた芸人が大勢なだれこんでフィナーレ。中澤は深々と礼をした後、鳴り止まない拍手に向かって「うるせえんだよ!」と毒づいて舞台から退場した。
私はどんな芸人の解散に対しても必要以上に寂寥感を覚えるクチなのだが、かたつむりだけは不思議と寂しくない。何の根拠もないけれど、活動休止である以上、戻ってきそうな気がするのだ。それも今日会場を埋め尽くしたファンがお笑いから離れ、かたつむりの居場所がどこにもなくなった数年後、とんでもない横入りの方法で。私はその日を待たない。その日は頼んでもいないのに向こうから勝手にやってくる。かたつむりはそういうふざけたコンビである。