よしもと若手大忘年会&RGvsハブ〜ジャッジ熊谷〜嬬恋決戦上映会2009(ロフトプラスワン)

2009年、時は世紀末。「なぜ神は同じ時代に二人を産み落としたのか?」と芸人がくすぶる居酒屋限定で囁かれる”カリスマ中のカリスマ”レイザーラモンRGと”天才・天才・天才”Bコース・ハブ。この二人が己の肉体だけを使って、おもしろの雌雄を決するイベント「RGvsハブ」が再び帰ってきた。今回の戦場はキャベツのおいしい嬬恋村。相手の息の根を止めてやろうという憎悪のエネルギーは劇場では収容不可能な規模にふくらみあがり、いよいよ都内を飛び出す戦争へと発展したのである、ということは全くなく、嬬恋の地を選んだのはNSC生の合宿に二人が講師としていそいそ同行したから。そんなコスい理由で堂々の2年連続開催を迎えたエニウェア&ノーピープルマッチのオールナイト上映会に、私も昼寝2回という万全の態勢で挑む。
今回の戦いは初の水中戦に突入したという噂を聞いていたため、昨年と同じくゴルフ場で「坂道をすごい勢いで降りてくる対決」「ここまでが俺の陣地だ対決」などで体をほぐした後、もつれあってもんどり打って水中へドボンの光景を思い描いていたところ、なんと冒頭から戦場がプールサイドで、ガンダムの第一話がズゴックの回だったような衝撃を受ける。その後、戦いは「イルカになって輪くぐり対決」「着水するまで何回「ゲッツ!」できるか対決」「おもしろ助清対決(定番)」「プールを温泉に見立てて芸能人親子が入浴対決」「プールを見てCOCCOだったら何を歌うか対決」など、血尿で血糊を洗う抗争に発展していった。
今回の見所は、前回は中盤以降チラチラと予告して、終盤一気にこぼれだした二人のINARIZUSIが、水中を浮遊する魚気分で解放されたのか、序盤から大放出だったこと。そして何かきっかけがあろうがなかろうが全裸のハブがキス目的でRGに接近し、それを必死で拒むも最後は二人で抱き合ってる光景を一晩で少なくとも20回は見た気がする。最後の方は坊主二人がプールサイドでお互いのチムポをいじる極限の戦闘地帯にまで突入していたが、あそこまでいくとホモ映画を超えて東欧のアート映像に見えてくるから不思議だ。なお私のベストバウトは「ダーツの旅で最初に登場した村人対決」で、芸人の間では相手の躯をプールに流して見取る「さよならRGorハブ対決」が好評だったらしい。理由はもはや攻守さえ分からないから。確かに斬新である。
さて勝負が50回を数えた頃、宿泊客から「不審者がプールで騒いでいる」というもっともな通報が届き、施設の管理者に本気で怒られる(私の内部情報によれば4回も)不慮でもなんでもない事態に発展し、ふざけ散らかして近隣に迷惑をかけた戦いはドローで強制終了。勝敗の行方は、2月に同会場で上映される「RGvsハブ in上海」へ持ち越されることになった。お笑いがどうでもいい意味づけをされがちな現代で、今回も相変わらずただひたすらくだらなかったRGvsハブ。それはあらゆる解釈を拒むというより、バカバカしすぎて解釈を試みる者が誰もいないのである。終了時刻午前4時。同イベントの集客力強化のため、同時開催された若手芸人大忘年会目当てに来場した一部の女の子はキューキュー寝ていた。その後、若手芸人が舞台に揃い踏みするも、フィーチャーされたのはなぜかBコースのナベ。女の子がますます眠りを深めていった。新宿。午前4時。2009年世紀末。