D-ポップの中にひとつだけ眼球が混じっている

ミスタードーナツで本を読んでいたところ、隣席の男子高校生2人が小選挙区制の弊害について議論していた。
「なんて意識の高いヤツらだ・・・!」と脅威を感じて耳をそばだてると、予想を大きく裏切り、話題はなぜかお笑いへ。
「最近のお笑いってダメじゃない?」
「うん。特に『エンタ』はダメだね。明らかに質が落ちてる」
「昔のアンジャッシュ、インパルスはちゃんとネタ作ってたけど。わりかしだよ。わりかしね」
「今は勢いだけじゃん。ゆってぃで笑う精神なんて慈悲だよ、慈悲」
はたしてトークは10分ほど転がり、最後、「結局さー、今の芸人は芸がないんだよ!」と吉川潮みたいな結論に。
「うん、昔はあった。Mrマリックなんて芸あったじゃん?」
「あったあった!」
と意気投合(100%実話)。あまりの衝撃に私の手元のオールドファッション黒みつきなこが、触れてもいないのに真っ二つに割れていた。ハンドパワーだ。
しかしこんな若い層にもお笑い評論家が育っているとは! 評論サイコー! 俺もギャグなんて役に立たないことを考えてるヒマがあったら、お笑いを評論するぞ評論するぞ評論するぞ!(マリックから勇気をもらったという現代の寓話おしまい)