太田プロライブ「月笑2010」(明治安田生命ホール)

いつ来てもファミリー感に満ちている太田プロライブへ。相変わらず面白いトップリードのコントと、新宿カウボーイ・かねきよの図体がデカくてハゲていて何の勝算もなく前に出る姿勢が否応なしに心に残る。しかし今日もっとも輝いていたのは、一発芸コーナーに登場して「踊りながら水墨画を描く」芸を披露した麦芽・鈴木。『トゥナイト2』でしか見たことない扇子を巧みに操る踊りの古さ、ダンスとデッサンが全く融合してない感じ、そして何より水墨画のクオリティの高さ。これらが三位一体になって抜群に面白かった。見せ方によってはアートとして通用しそうなのに、行き詰まった若手が苦し紛れに出す物全部出した風にしか見えないのも心にくい。
なんでもMCを務めたマシンガンズの情報によれば、忘年会でウケた芸をそのまま持ってきたとのこと。どうにも近年、吉本が編み出してきた”結婚式の二次会=表舞台へのオーディション”の構造が他事務所にも徐々に浸透しているようだ。というかこんな面白い演芸が出現した今、吉本が送り出そうとしているキングオブ宴会芸2010こと「RGのあるある」は隅に追いやられてしまうのではないか!? 私は一抹の不安を胸に渋谷へ向かった。(次項へ続く)